プーチン年頭演説とウクライナ機撃墜の因果関係

  • 2020年1月21日
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 1月15日、クレムリンでプーチンの年頭教書が発表された。

それによると少子化の波はここ数年押さえられていたが、ここへきてまた少子化の傾向が見られるようになったことは由々しきことだと述べ、今度は第一子から政府による援助金を支出する予定であることが明らかになった。この年頭教書で重要なことはこのことより次の二点になる。すなわち第一にはメドヴェージェフ首相が内閣総辞職を宣言、下院議会からミシュスティン氏が選ばれたことは内外から驚かれた。彼はその就任と同時に連邦税務局長を辞任した。つまり、今後は大統領が首相を選ぶのではなく、下院の議会の総意により、首相を決めることが発表された。また第二には憲法の人民主権化が明確にされたことである。つまり、国際法、および、国際機関の決定はロシア憲法より下位にあること、すなわち、ロシア国民によるロシア憲法の優位性が国際法より上位にあることを宣言した。これは中露、中東も当たっているが、最近はとみにアメリカによる制裁が際立っており、その一つ一つが大きな打撃になっていることから、制裁を可能な限り被らないようにするという配慮もにじませたものであるが、この年頭教書では国民が主権を持ち自らを治めるというところに強調点が置かれているようである。こう見てくるといいことづくめのようであるが、何故にプーチンは急にこの大変革を発表することになったのか、果たしてこうなる前段階として議会での討議を経ているのかどうか疑わしい。折しも、イランのスレイマーニ将軍の暗殺の後で、8日の朝方、イランがウクライナ機ボーイング735機を撃墜したという訃報が流れてきている。

 この直後のニュースをずっと追っていたが、初めはイラン政府からの謝罪のニュースが入ってきたが、なぜ民間機を撃墜したのか、符に落ちなかった。しかしだんだんわかったことは、当時イランの上空に米軍機が轟音を立て何機も旋回していたこと、その轟音を聞きながらの機械操作はかなり難しかったというコメント入ってきており、何か、不自然な違和感を感じていた。地上で上空を爆撃しようとする手元が爆音で狂ってしまったとしか言えないような展開だったのである。何か米軍側の作為性を感ぜざるを得なかった。この符に落ちない思いが数日間続いた。しかしこの爆撃事件から一週間後のプーチンの年頭演説でわかったことがいくつかあった。その点について次ぎの華山情報で簡潔に述べてみたい。